Dielectric
Dielectric は、外側と内側で屈折率が異なる「誘電体」を表現します。
Roughness Model が None の場合は Smooth dielectric material (dielectric) モデルを使用し、Roughness Model で None 以外を設定した場合は Rough dielectric material (roughdielectric) モデルを使用します。
また、Thin Dielectric を有効にした場合は Thin dielectric material (thindielectric) モデルを使用します。
散乱 (Dispersion) は現在サポートされていませんが、将来のリリースで有効になるそうです。
このモデルを使用する場合、シーンには、意味があり相互に互換性のある屈折率変化が含まれていることが重要です。
この説明については、Surface scattering models の例を参照してください。
また、このモデルの重要度サンプリングの実行は類似していますが、特に Roughness が高い場合や GGX マイクロファセット分布を用いた場合は基本的な拡散分布と完全に一致するとは限らなず、このようなレンダリングの収束には時間が掛かるということに注意してください。
Parameter
Thin Dielectric
このオプションは、例えば、周りが空気に囲まれたガラスのように、他の誘電体内に包み込まれた薄い誘電体マテリアルをモデル化します。
このオプション、三角形や四角形の厚みのない単一のシートで作成された、ガラス窓のようなもののために使用する必要があります。
厚みのあるオブジェクトとして窓が作成されている場合は、このオプションは使用しません。
また、このオプションを使用すると、Roughness の設定はできなくなります。
- タイプ : ブーリンアン
- 初期値 : オフ
dielectric と thindielectric の違い
off | on | sample |
ある屈折率から他のへの単一の変化をモデル化します |
わずかな間の屈折率変化のための一対の境界をモデル化します |
単一シートのジオメトリで作成された窓は、この BSDF が最も良く利用されます |
この実装により、かなりの余計な負担なく厚みのない誘導体中の多重内部反射 (例えば、反射のパスに R, TRT, TR3T...、屈折のパスに TT, TR2, TR4T...、R と T は個々の反射と屈折の事象をそれぞれ表します) を正しく計算します。
Int. IOR
内部屈折率 (1.00 - 10.00) を設定します。
屈折率については、IOR を参照してください。
- タイプ : 浮動小数点数
- 初期値 : 1.50 (光学ガラス bk7)
Ext. IOR
外部屈折率 (1.00 - 10.00) を設定します。
屈折率については、IOR を参照してください。
- タイプ : 浮動小数点数
- 初期値 : 1.00 (空気)
Specular Reflectance Color
マテリアルの鏡面反射色 (Hex:000000 - Hex:FFFFFF) を設定します。
- タイプ : スペクトルまたはテクスチャ
- 初期値 : Hex:FFFFFF
右端の [T] ボタンを押すことで、Texture タブで設定したテクスチャから選択することができます。
※ テクスチャを使用する場合は、必ず UV マッピングを行ってください。
Specular Transmittance Color
マテリアルの鏡面透過色 (Hex:000000 - Hex:FFFFFF) を設定します。
- タイプ : スペクトルまたはテクスチャ
- 初期値 : Hex:FFFFFF
右端の [T] ボタンを押すことで、Texture タブで設定したテクスチャから選択することができます。
※ テクスチャを使用する場合は、必ず UV マッピングを行ってください。
Roughness Model
表面粗さを表現するマイクロファセット法線分布方式を選択します。
None では Smooth dielectric material (dielectric) モデルを使用し、表面が滑らかな誘電体を表現します。
None 以外では Rough dielectric material (roughdielectric) モデルを使用し、表面が粗い誘電体を表現します。
- タイプ : 文字列
- 初期値 : None
None
表面が滑らかな誘電体を表現します。
Beckmann
ガウス確率表面由来の物理ベース分布。
Specular Reflectance Color, Specular Transmittance Color 共に Hex:E7E7E7
GGX
Walter らによって提案された新しいディストリビューションで、ベース面の測定で観測された長いテールをよりよく扱います。
この分配による表現は、収束に時間が掛かります。
Specular Reflectance Color, Specular Transmittance Color 共に Hex:E7E7E7
Phong
古典的な cospθ 分配。
基本的なマイクロファセット理論のため、ここでのこの分配の使用は別途入手できる phong プラグインよりも現実的な挙動となります。
Specular Reflectance Color, Specular Transmittance Color 共に Hex:E7E7E7
Anisotropic
Ashikhmin と Shirley にって提案された、異方性 Phong 型マイクロファセット分布。
Specular Reflectance Color Hex:E7E7E7, Specular Transmittance Color Texture
Roughness
Roughness Model で、Beckmann、GGX、Phong を設定したときに表示されます。
マイクロファセットの平均平方傾斜を使っている未確定表面マイクロジオメトリの粗さ (0.000000 - 1.000000) を設定します。
Beckmann が選択されている場合、このパラメータは、マイクロファセットの平均平方傾斜に等しくなります。
- タイプ : 浮動小数点数またはテクスチャ
- 初期値 : 0.200000
粗さの目安は以下の通りです :
- 0.001 - 0.01 : 滑らかな表面にわずかなキズがある程度 (このような小さな値では、拡散は同じ程度になります)
- 0.1 : 比較的粗い
- 0.3 - 0.7 : 非常に粗い (エッチングされたものや地面など)
右端の [T] ボタンを押すことで、Texture タブで設定したテクスチャから選択することができます。
テクスチャの濃淡で Roughness が決定されるので、Roughness の値はいくつでも構いません。
※ テクスチャを使用する場合は、必ず UV マッピングを行ってください。
Roughness U / Roughness V
Roughness Model で、Anisotropic を設定したときに表示されます。
マイクロファセットの平均平方傾斜を使っている未確定表面マイクロジオメトリの粗さ (0.000000 - 1.000000) を設定します。
Ashikhmin-Shirley マイクロファセット分布は、接線および二重接線の方向に沿って、2 つの異なる粗さを設定することができます。
これにより、ブラッシュドマテリアルの外観を表現することができます。
異方性の位置合わせは、基となるメッシュの UV パラメータに従います。
この異方性マテリアルは、テクスチャ座標が欠落している三角メッシュには適用することができません。
※ テクスチャを使用しなくても、必ず UV マッピングを行ってください。
- タイプ : 浮動小数点数またはテクスチャ
- 初期値 : 0.100000
粗さの目安は以下の通りです :
- 0.001 - 0.01 : 滑らかな表面にわずかなキズがある程度 (このような小さな値では、拡散は同じ程度のなります)
- 0.1 : 比較的粗い
- 0.3 - 0.7 : 非常に粗い (エッチングされたものや地面など)
右端の [T] ボタンを押すことで、Texture タブで設定したテクスチャから選択することができます。
テクスチャの濃淡で Roughness が決定されるので、Roughness の値はいくつでも構いません。
Sample
Roughness None および 0.0 の比較
None | Beckmann 0.0 | GGX 0.0 | Phong 0.0 | Anisotropic U0.0/V0.0 |
19m36.63s |
28m23.25s |
30m10.48s |
30m55.34s |
31m27.93s |
※Smooth dielectric material (dielectric) モデルと Rough dielectric material (roughdielectric) モデルとで透過具合が若干違うようです。
- 最終更新:2014-07-09 09:20:46