Dielectric coating
Dielectric coating は、他のマテリアルに対して誘電体によるコーティングを表現します。
Mitsuba のあらゆる BSDF をコーティングすることができ、連続して複数のコーティング層を適用することもできます。
これにより、車の塗料や光沢のあるメタルホイルのような面白いカスタムマテリアルが作れます。
コーティング層は必要に応じて着色することができ (すなわち吸収媒体で満たされたことになります)、その場合、その層で方向依存性吸収が行われます。
このプラグインは、コーティング内で内部反射された光を破棄していることに注意してください。
これは、臨界角の近くまたはそれ以下にそのエネルギーの多くを反射しているマテリアル (すなわち、拡散または非常に粗いマテリアル) からの顕著なエネルギー損失を起こします。
そのため、拡散マテリアルにこのプラグインでコーティングすることは推奨されません。
同じ状況でもエネルギー損失が起こらない Plastic を使用することをお勧めします。
Roughness Model が None の場合は Smooth dielectric coating (coating) モデルを使用し、Roughness Model で None 以外を設定した場合は Rough dielectric coating (roughcoating) モデルを使用します。
Parameter
Coated Material
コーティングするマテリアルを選択します。
- タイプ : BSDF
- 初期値 : なし
※ここで選択できるマテリアルは、同一マテリアル内に別スロットとして設定されている必要があります。
あらかじめ、上部のマテリアルリストに [+] でスロットを追加し、新規に作成するか既存のマテリアルを選択しておきます。
Int. IOR
内部屈折率 (1.00 - 10.00) を設定します。
屈折率については、IOR を参照してください。
- タイプ : 浮動小数点数
- 初期値 : 1.50 (光学ガラス bk7)
Ext. IOR と同じ値の場合、レンダリングされないようです。
Ext. IOR
外部屈折率 (1.00 - 10.00) を設定します。
屈折率については、IOR を参照してください。
- タイプ : 浮動小数点数
- 初期値 : 1.00 (空気)
Int. IOR と同じ値の場合、レンダリングされないようです。
Tthickness
吸収する層の厚さ (0.00 - 10.00) を設定します。
Absorption Coefficient の逆単位で設定する必要があります。
- タイプ : 浮動小数点数
- 初期値 : 1.00
Coated Material : Conductor IOR 0.37, AC 2.82 Ext 1.00, SRC Hex:FFFFFF, Beckmann 0.2
Absorption Coefficient : Hex:590000 ■■■
Absorption Coefficient
コーティング層の吸収係数 (RGB:0.0,0.0,0.0 - 10.0,10.0,10.0) を設定します。
0.0, 0.0, 0.0 で、吸収無し。
- タイプ : スペクトルまたはテクスチャ
- 初期値 : Hex:000000
右端の [T] ボタンを押すことで、Texture タブで設定したテクスチャを選択することができます。
※ テクスチャを使用する場合は、必ず UV マッピングを行ってください。
Specular Reflectance Color
マテリアルの鏡面反射色 (Hex:000000 - Hex:FFFFFF) を設定します。
- タイプ : スペクトルまたはテクスチャ
- 初期値 : Hex:FFFFFF
右端の [T] ボタンを押すことで、Texture タブで設定したテクスチャを選択することができます。
※ テクスチャを使用する場合は、必ず UV マッピングを行ってください。
※仕様上テクスチャを設定できますが、テクスチャを設定するとレンダリングできませんでした。
Roughness Model
表面粗さを表現するマイクロファセット法線分布方式を選択します。
このモデルは、境界面を介して、鏡面反射とフレネル透過率の粗さを計算します。
内部モデルは、コーティングが滑らかであるかのように変換された入射光を受けています。
それは厳密には正しくはありませんが、コーティングのプラグインがあまりにも鋭いスペキュラハイライトを生成するときに便利な回避策です。
None では Smooth dielectric coating (coating) モデルを使用し、表面が滑らかな誘電体を表現します。
None 以外では Rough dielectric coating (roughcoating) モデルを使用し、表面が粗い誘電体を表現します。
- タイプ : ストリング
- 初期値 : None
None
表面が滑らかな誘電体を表現します。
Beckmann
ガウス確率表面由来の物理ベース分布。
Specular Reflectance Color Hex:E7E7E7
GGX
Walter らによって提案された新しいディストリビューションで、ベース面の測定で観測された長いテールをよりよく扱います。
この分配による表現は、収束に時間が掛かります。
Specular Reflectance Color Hex:E7E7E7
Phong
古典的な cospθ 分配。
基本的なマイクロファセット理論のため、ここでのこの分配の使用は別途入手できる phong プラグインよりも現実的な挙動となります。
Specular Reflectance Color Hex:E7E7E7
Roughness
Roughness Model で、Beckmann、GGX、Phong を設定したときに表示されます。
マイクロファセットの平均平方傾斜を使っている未確定表面マイクロジオメトリの粗さ (0.000000 - 1.000000) を設定します。
Beckmann が選択されている場合、このパラメータは、マイクロファセットの平均平方傾斜に等しくなります。
- タイプ : 浮動小数点数またはテクスチャ
- 初期値 : 0.200000
粗さの目安は以下の通りです :
- 0.001 - 0.01 : 滑らかな表面にわずかなキズがある程度 (このような小さな値では、拡散は同じ程度になります)
- 0.1 : 比較的粗い
- 0.3 - 0.7 : 非常に粗い (エッチングされたものや地面など)
右端の [T] ボタンを押すことで、Texture タブで設定したテクスチャを選択することができます。
テクスチャの濃淡で Roughness が決定されるので、Roughness の値はいくつでも構いません。
※ テクスチャを使用する場合は、必ず UV マッピングを行ってください。
- 最終更新:2014-07-09 09:00:22